美容室で仕上がった瞬間が綺麗なのは、もちろん大切です。
ですが、僕がそれ以上に大切にしているのは、ご自宅でもできるだけ楽にその状態を再現できることです。
カウンセリングでよく「髪には、本来の動きがあります。」というお話をします。
僕たちは常に重力の影響を受けています。もちろん髪も例外ではありません。
さらに、髪質、毛量、生え癖、骨格など、一人ひとり違う条件によって髪の自然な動き方は決まります。
それらを無視してデザインすると、美容室では綺麗でも、ご自宅では再現不可の髪型になってしまうことがあります。
なので僕は、髪が本来持っている性質をできるだけ生かしたヘアデザインを大切にしています。
同じ外ハネボブでも、扱いやすさは違います
分かりやすい例が、外ハネボブです。
一見すると似たような長さでも、
・毛先が肩につく長さ
・毛先が肩より上の長さ
では、毎日の扱いやすさが大きく変わります。
見た目の違いはほんの数センチですが、その数センチが髪の動きを左右します。

写真の左の様な肩につく長さは、毛先が肩に当たることで自然と外側へ動きやすくなります。
そこへ軽くアイロンを通してオイルをつけるだけでも、外ハネを維持しやすくなります。
一方、写真の右の様に肩より上の長さでは、自然な動きでは下に落ちる毛先をアイロンだけで外へ向ける必要があります。
左右を均一に外ハネにするだけでも少し技術が必要で、時間が経つと重力によって毛先が戻り、左右差が出ることもあります。
髪が本来持っているものを無視しない
この考え方は、長さだけではありません。
例えば、白髪の割合が多い髪を毎回真っ黒に染める場合。
本来白い髪を黒くしているため、少し伸びただけでも白と黒の差が強く見えます。
その結果、以前より短い周期で染め続けなければ気になるようになることがあります。
縮毛矯正も同じです。
施術直後は綺麗なストレートになりますが、数か月後には根元から本来のくせ毛が伸びてきます。
毛先はストレート、根元はくせ毛という差が生まれ、デザインの幅が狭くなることもあります。
もちろん、白髪染めや縮毛矯正は必要な方にとっては、とても価値のある技術です。
ですが、本来の状態と大きく違う仕上がりを目指すほど、維持には施術や毎日のお手入れが必要になります。
そのことも理解した上で選ぶことが大切だと考えています。
「毛量が多いから、たくさん梳く」も同じです
毛量が多いからといって必要以上に髪を梳けば、その場は軽く感じます。
しかし数か月後には根元から本来の毛量が伸びてきます。
極端に言えば、根元は100%、毛先は30%というような状態になり、根元だけが膨らみ、毛先は薄くなります。
その結果「また重たくなってきた」「また梳いてほしい」を繰り返し、時間が経つほど毛先がペラペラになってしまうこともあります。
なので僕は、その日だけではなく、数か月後の状態まで考えて必要な場所から必要な量だけを調整します。
美容師に本当に必要なのは「観察力」と「判断力」
カットが上手な美容師というと、ハサミを動かす技術を思い浮かべる方が多いかもしれません。
もちろん、それは欠かせない技術です。
ですが僕は、それと同じくらい観察力と判断力も重要だと考えています。
髪質、毛量、生え癖、骨格、そして普段どこまでスタイリングをされるのか。
それらを踏まえて、
「このデザインなら乾かすだけできまる。」
「このデザインなら高度なスタイリングが必要になる。」
「このデザインなら数か月後も扱いやすい。」
そんなことを予測し、お客様にとってベストなデザインを選ぶこと。
これも美容師の大切な技術です。
「手間がかかってもこの髪型にしたい」というご希望があれば、そのデザインに合わせてカットし、スタイリング方法までしっかりお伝えします。
ですが「できるだけ簡単にしたい」「朝のセットを楽にしたい」という方であれば、自然な髪の動きを活かした方が扱いやすくなります。
美容室を出た瞬間だけではなく、その先の毎日まで考えること。
それが、LOWONIDAが大切にしているヘアデザインです。
